Speaking 評価基準

発表

全体
(課題と構成)
①構成 A1 簡単な表現や文を並べて、述べることができる。
A2 簡単な接続表現を用いて単純な文を繋げ、物事を語ったり、描写することができる。
B1 事柄の提示は直線的に並べるにとどまるが、ある程度の長さの結束性のある簡単な発表ができる。
B2 明確かつ体系的に、事項を補足しながら、要点を見失わずに、関連事例を挙げて、主張を強化、展開することができる。長く話すとなると若干の「ぎこちなさ」があるかもしれない。
C1 複雑な話題について、さまざまな構成パターン、接続表現、結束手段が使え、一定の要点を展開しながら、明快に適当な結論にもっていくことができる。
C2 さまざまな構成パターンや、幅広い結束手段を充分かつ適切に利用して、聞き手が要点を記憶、あるいは後で思い出す際の足がかりになるような、論理的な構造を持った、流れのよい、構造のしっかりした発表ができる。
②課題 A1 自分自身や想像上の人々について、簡単な情報(名前、家族、出身、年齢、性別、住居、仕事)を述べることができる。
A2 出来事、過去の活動、個人的な経験を短い文を述べることができる。好きか嫌いかを述べることができる。
B1 自分が関心を持つ身近な話題について、複雑でないが、詳しく述べることができる。感情や反応を含めて、経験したことを述べることができる。夢や希望、野心を述べることができる。意見、計画、行動について短い理由や説明ができる。
B2 さまざまな話題について、実際もしくは想像上の出来事や経験を複数の見解を相互に関連づけ、明瞭かつ詳細に述べることができる。
C1 複雑な話題について、洗練された描写や語りができる。
C2 明瞭ですらすらと流れるように、詳しく、多くは記憶に残るような経験談を自信を持ってはっきりと述べ、聞き手を完全に引き込むことができる。
③音素・流暢さ A1 非常に限られたレパートリーの、学習・練習済みの単語や言い回しなら、当人の言語を聞き慣れている母語話者であれば、多少努力すれば理解できる。適切な表現を探したり、あまり馴染みのない言葉を言おうとするとき、また話の流れの修復のために、間が多くあくが、非常に短い、単独の、多くは予め準備しておいた発話を行うことができる。
A2 話の相手から時々、繰り返しを求められることもあり、明らかな外国語訛りが見られるものの、大体の場合、発音は理解できる程度にははっきりとしている。話し始めて言い直したり、途中で言い換えたりすることが目立つが、短い発話であれば自分の述べたいことを理解してもらえる。
B1 時には外国語訛りが目立ったり、発音の間違えもあるが、大体よく理解できるくらいに発音は明瞭である。自分の表現したいことを、ある程度の長さの、比較的容易に表現できるが、談話を続けていく時に文法的および語彙的に正確であろうとして間があいたり、発話の修復を行うのが目立つ。
B2 はっきりとした、自然な発音やイントネーションを身につけている。比較的一定の速さを保って発話を行うことができる。言い方の型や表現を探す際に詰まることがあっても、目立って長い間があくことは少ない。
C1 より微妙なニュアンスを表現するために、イントネーションを変化させたり、文の特定部分を正しく強調することができる。自分自身の述べたいことを流暢かつ無理なく自然に、ほとんど苦労せずに述べることが可能である。ただ、概念的に難しい内容に関してのみ、自然で滑らかな言葉の流れが損なわれる。
C2 自分の言いたいことを、長い発話でも、自然で、苦労なく、詰まらずに、流れるように、表現することができる。滞るのは、考えを表現するために最適な言葉を考えたり、適切な例や説明を探そうとする時だけである。
④語彙・表現 A1 非常に基本的な範囲で、自分自身に関することや、特定の具体的な状況に関して、単語や言い回しのレパートリーを持っている。ただしそれらの間の繋がりはない。
A2 馴染みのある事柄や型にはまった事柄であれば、限られた情報を、簡単かつ分かりやすく、自分が述べたいことを伝えることができるが、その他の場面ではたいてい内容的に妥協しなければならない。ポイントを簡単に並べ上げる形で、物事を述べることができる。
B1 本人の日常生活に関わることや、時事問題など社会的な話題、音楽や映画といった文化的な話題について、多少間接的な表現を使ってでも、自分の述べたいことを述べられるだけの語彙を持っている。 複雑な考えや、非日常的な話題や状況に関して何かを述べようとすると、大きな誤りをすることがあるが、初歩的な語彙は使いこなせる。
B2 本人の専門分野や大部分の一般的な話題に関して、幅広い語彙を持っており、信頼を得られる程度に情報を詳しく伝えることができる。 言葉を探していることをそれほど感じさせずに、明確な描写や、自分の視点の表明、議論の組み立てが充分に可能なだけの言語の幅を使い、多少の混乱や間違った単語の選択も聞き手の理解を邪魔しない範囲である。
C1 自分が言いたいことを明確に言語化するために、幅広い使用可能な言語の範囲から適切な表現を選ぶことができ、言葉を探したり、回避方略の使用がはっきりと分かることはない。発表における定型表現の使い方も上手である。時には些細な言い間違いがあるが、大きな語彙上の誤りはない。
C2 正確に自分の考えを言語化したり、特定の点を強調したり、区別したり、あいまいさを除いたりするために、包括的で確実な、非常に幅広く習熟した言語の範囲を利用することができる。発言内容を制限する必要は全く感じられず、修飾語句を、幅広く、比較的正しく使うことによって、意味の微妙なあやを精確に伝えることができる。
⑤文法 A1 学習済みのレパートリーの中から、限られた、いくつかの単純な文法構造や構文を使うことはできる。
A2 いくつかの単純な文法構造を正しく使うことができるが、依然として決まって犯す基本的な間違いがある―例えば、時制を混同したり、性・数・格などの一致を忘れたりする傾向がある。しかし、本人が何を言おうとしているのかはたいていの場合明らかである。
B1 多くの場合高いレベルでの文法駆使能力があるが、母語の影響が明らかである。誤りも見られるが、本人が述べようとしていることは明らかに分かる。
B2 高い文法駆使能力がある。時には「言い間違い」や、不注意による誤りや些細な不備が見られる場合があるが、その数は少なく、自分で訂正できるものが多い。 誤解につながるような間違いは犯さない。
C1 常に高い文法的正確さを維持する。誤りは少なく、見つけることは難しい。
C2 複雑な表現においても常に高い文法駆使能力を維持して、誤りはほぼない。

対話

①やりとり A1 直接自分に向けられた話ならば、具体的で単純な必要性を満たすための日常の表現を理解でき、答えることができる。
〈使える表現〉紹介や基本的な挨拶、いとま乞いの表現、数や量・費用・時間を扱う表現、習慣や日常の仕事・娯楽や過去の活動の表現
A2 旅行、宿泊、食事、買い物、交通機関のような毎日の状況で簡単な表現を使って日常の課題に関するやり取りができ、物を要求したり、与えたり、簡単な情報を得たり、次にすることを話し合うことができる。挨拶をするのに簡単な日常の丁寧な形式を使うことや、招待や提案、謝罪ができる。
B1 日常で遭遇する可能性のあるほとんどの状況に対処できるだけでなく、自分の感情を表現し相手の感情にも反応することができる。非日常的な状況でも、自分の意見や反応を、次にすべきことや問題解決策との関連で、簡単に理由を挙げて説明して、理解させることができる。
B2 母語話者を対手にしてもお互いにストレスを感じさせることなく、一般的、学術的、職業上、もしくは余暇に関する幅広い話題について、気持ちのありようを伝え、出来事や経験の持つ個人的重要性を強調することができる。争いの解決のためにうまく交渉の話し合いができたり、複雑な情報や助言を理解・交換することができる。
C1 自分の専門分野外の話題についての専門家による抽象的な複雑な話も詳しく理解できる。感情表現、間接的な示唆、冗談などを交ぜて、社交上の目的に沿って、柔軟に、効果的に言葉を使うことができ、間接的な表現を使って即座に対話の隙間を埋めることができる。
C2 社会や個人生活全般にわたって、慣用的な表現や口語表現をかなり使いこなすことができ、コノテーションまで気がつく。かなり的確に修飾を加えることによって正確に細かいニュアンスまで伝えることができる。
②音素・流暢さ A1 非常に限られたレパートリーの、学習・練習済みの単語や言い回しなら、当人の言語を聞き慣れている母語話者であれば、多少努力すれば理解できる。適切な表現を探したり、あまり馴染みのない言葉を言おうとするとき、また話の流れの修復のために、間が多くあくが、非常に短い、単独の、多くは予め準備しておいた発話を行うことができる。
A2 話の相手から時々、繰り返しを求められることもあり、明らかな外国語訛りが見られるものの、大体の場合、発音は理解できる程度にははっきりとしている。話し始めて言い直したり、途中で言い換えたりすることが目立つが、短い発話であれば自分の述べたいことを理解してもらえる。
B1 時には外国語訛りが目立ったり、発音の間違えもあるが、大体よく理解できるくらいに発音は明瞭である。他人の助けを借りずにある程度の長さの、理解可能な発話を行うことができる。
B2 はっきりとした、自然な発音やイントネーションを身につけていて、長く、複雑な一連の発話であっても、流暢で、表現に余裕があることが見られる。比較的一定の速さを保って互いに無理することなく、自然に母語話者と普通にやり取りができる。
C1 より微妙なニュアンスを表現するために、イントネーションを変化させたり、文の特定部分を正しく強調することができる。自分自身の述べたいことを流暢かつ無理なく自然に、ほとんど苦労せずに述べることが可能である。ただ、概念的に難しい内容に関してのみ、自然で滑らかな言葉の流れが損なわれる。
C2 自分の言いたいことを、長い発話でも、自然で、苦労なく、詰まらずに、流れるように、表現することができる。滞るのは、考えを表現するために最適な言葉を考えたり、適切な例や説明を探そうとする時だけである。
③語彙・表現 A1 非常に基本的な範囲で、自分自身に関することや、特定の具体的な状況に関して、単語や言い回しのレパートリーを持っている。ただしそれらの間の繋がりはない。最も簡単な日常的に使われる丁寧な言葉遣いで、基本的な社交関係を確立することができる。
A2 身辺状況、毎日繰り返して行われること、必要な事物、要求、情報の請求など、具体的な欲求を満たすために必要な、簡潔な日常的表現が作れる。また、礼儀正しい言葉遣いで、短い社交的な会話を行うことができる。招待や提案、謝罪などを行ったり、それらに応じることが、予想外の状況では、コミュニケーションが成り立たなかったり、あるいは誤解を生むことが多い。
B1 予想外の状況を描写できるだけの充分な言語の幅を持っており、ある程度の正確さで考えや問題の主要点を説明することができる。馴染みのある状況では、割合正確にコミュニケーションを行うことができ、 目標言語の文化と当人自身の文化との間の、慣習、言葉遣い、態度、価値観や信条について、最も重要な違いに対する認識があり、それを配慮することができる。ただし、複雑な考えや、非日常的な話題や状況に関して何かを述べようとすると、大きな誤りをすることがある。
B2 本人の専門分野や大部分の一般的な話題に関して、幅広い語彙を持っており、公式の言葉遣いでも、くだけた言葉遣いでも、その場や会話の参加者に応じた適切な言葉遣いで、はっきりと理解できる。多少の混乱や間違った単語の選択もコミュニケーションを邪魔しない範囲である。
C1 自分が言いたいことを明確に言語化するために、幅広い使用可能な言語の範囲から適切な表現を選ぶことができ、言葉を探したり、回避方略の使用がはっきりと分かることはない。時には些細な言い間違いがあるが、大きな語彙上の誤りはなく、感情表現、間接的な示唆、冗談などを交ぜて、社交上の目的に沿って、柔軟に、効果的に言葉を使うことができる。
C2 強調したり、その場の状況や聞き手などに応じて変化をつけたり、あいまいさをなくすために、さまざまな言語形式を使って、発言を言い直す幅広い柔軟性がある。発言内容を制限する必要は全く感じられず、母語話者が言語を使用する際の社会言語的、および社会文化的な意味を充分に理解し、適切に応じることができる。
④文法 A1 学習済みのレパートリーの中から、限られた、いくつかの単純な文法構造や構文を使うことはできる。
A2 いくつかの単純な文法構造を正しく使うことができるが、依然として決まって犯す基本的な間違いがある―例えば、時制を混同したり、性・数・格などの一致を忘れたりする傾向がある。しかし、本人が何を言おうとしているのかはたいていの場合明らかであるり、自分自身や他人について、職業、特定の場所、持ち物などに関してコミュニケーションできる。
B1 比較的予測可能な状況で、多くの場合高いレベルでの文法駆使能力があるが、母語の影響が明らかである。誤りも見られるが、本人が述べようとしていることは明らかに分かる。
B2 高い文法駆使能力がある。時には「言い間違い」や、不注意による誤りや些細な不備が見られる場合があるが、その数は少なく、自分で訂正できるものが多い。 誤解につながるような間違いは犯さない。
C1 常に高い文法的正確さを維持する。誤りは少なく、見つけることは難しい。
C2 複雑な表現においても常に高い文法駆使能力を維持して、誤りはほぼない。